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実際どうなの、その“ちょい上”ワンランクアップしてみました。

実際どうなの、その“ちょい上”ワンランクアップしてみました。

飛行機にビジネスクラスがあるように、うな重に上があるように、ザクにシャア専用があるように――。世のあらゆるモノやサービスには「ちょい上」クラスがあるもの。その価値を知っている者と知らない者とでは、何だか人生の豊かさが変わってきそうな気がします。あまたある「ちょい上」たるものの使い心地はいかがなものか?節約してでも、ボーナスをはたいても体験すべきか?検証すべく、庶民派かつ恐妻家ライターのモモセが気になるワンランクアップ商品を体験取材。背伸びしない目線で語る、お気軽体験ルポコーナーでございます。

第22回 ホワイトデーは男子も手作り!男一匹、お菓子教室に潜入してみた。(後編) (2014年02月25日)

嫁さんのためにアイシングクッキーづくり!

バレンタインデーは嫁さんにチョコをもらった。
嫁さんから“しか“もらえなかったとも言えるのだが、ホワイトデーはそのお返しをする日。

お返しが期待ハズレだと機嫌を損ねるだけに、何を贈るか慎重に考えねばならない。
そこで思いついたのが「手作り」作戦である。

サプライズに弱い嫁さんに、手作りのプレゼントはもってこい。
気持ちを込めて手作りにすれば、嫁さんへの普遍的な愛も伝わるであろう。

というわけで、男性向けのお菓子教室を開く『アロンジー』を訪問。
パティシエ歴30年の村田雅子先生の手ほどきを受け、アイシングクッキーを作ることになったのだった。

「アットホームな雰囲気です」
ちなみに前編でも言いましたが、アイシングクッキーとは、粉砂糖と卵白を混ぜて色素を加えたペーストで、カラフルな図柄や文字の装飾をほどこすクッキーのことですよ

■お菓子工房『Allons-y!!(アロンジー)』
男性向けのお菓子作り教室は1回5,000円(2名以上)ですよ。詳しくはこちら:http://www.allons-y.jp

前回、クッキーの生地が完成。次なる作業は型抜きだ。

「モモセさんが選んだ、ハート、うさぎ、リンゴの型を生地に押し付け、ムダが出ないように繰り抜きましょう」(村田先生・以下同)

薄くのばしたクッキー生地に、金属製の型を押し付けていく。ぐい、ぐい、ぐい……。

「なんか楽しい」
これがことのほか気持ちよくて、楽しいのです。

なるべく、「生地のムダがでないように」と指示を受けて、慎重かつ大胆に型をり抜いていく。やわらかな生地を繰り抜いていく作業は、えもいわれぬ快感がある。 しかも、である。

「やだ。かわいい…」
切り抜いた生地をパットに並べると、なんだか萌えます。自分の中の小さな乙女心に火が付きましたよ。そして、こうなると俄然クッキーらしく見えてくるものです。

そして、いよいよオーブンで焼くわけだが、その前に冷蔵庫に入れて生地を少し休ませるとのこと。どうして?

「生地を練っていくと、グルテン(小麦粉に含まれる粘り成分)が発生します。冷蔵庫で冷やすのは、このグルテンの働きを抑えるためです。グルテンが活発な粘りの強い状態で焼くと、生地が縮み、仕上がりは固くなってしまいます。一方、休ませるのは生地全体に水分を浸透させるためなんですよ。冷やす、休ませるというひと手間をかけることで、クッキーの美味しさが違ってくるわけですね」

ほほう! 1つひとつの作業にちゃんとした理由があるわけですな。
なんだか賢くなった気がする。

「そして数十分後、オーブンへ入れちゃいます」
なぜかカメラ目線の先生と私。だんだん息が合ってきた気がしますよ。

「ケーキなど生地が厚いお菓子は、オーブンを低い温度に設定してゆっくり時間をかけて焼きますが、クッキーのように薄い生地のお菓子は、高い温度にしてパッと短時間で焼くことがポイントです」

なるほどねえ。クッキーは10分程度で焼けるのだが、まずは8分でセットして仕上がりを見るそうだ。

そして先生と談笑していたらあっという間に8分経過。焼き色を確認して残り2分で完成!

「はい。焼き上がりましたよ」と先生。
香ばしい香りが漂います。これだけで、もう美味しそうです。

もう、デコレーションとかいいから食べたいのだけど、我慢、我慢。

これだと単なるクッキーでしかない。アイシングを作り、焼けたクッキーにデコレーションしていく重要な作業が残されているのだ。

アイシングは粉砂糖と卵白を混ぜて作るのだが、今回は水で溶くだけですむアイシングペーストを使用。柔らかすぎず固すぎず、の状態を意識しながら泡立て器でコネコネする。

「アイシングづくりは意外に簡単」
この粉がアイシングペーストのもと。水で溶いて混ぜると、ものの数分で白いペースト状のアイシングができあがりましたよ。

「では、この白いアイシングをクッキーの表面に塗っていきましょう」

セロファンでできた絞り袋にアイシングを入れ、絞り出していくという作業だ。

「まずはクッキーの外側から縁どっていき、次に中を塗っていけば上手くいきますよ」と先生が見本を見せてくれる。

「さすがにうまい! 」
いかにも簡単そうにやっていらっしゃいますが、結構難しいんですよ。

さっそく私も挑戦だ。
出し過ぎないように、ぐっと絞り袋からアイシングを絞り出していく。思わず無口になる。

「おお。そこそこうまくいったのでは? 」
カラダの部分はわざと塗りつぶさずに、雰囲気が出るように仕上げましたよ。

「あ、けっこう上手ですね」「モモセさん、意外と器用ですね」と先生と編集者H に褒められた。

えっへん。何を隠そう、私はライターをやる以前は料理人だったのだよ。

お菓子作りは未体験だが、料理はお手の物なのである。

気をよくしたまま、白くペイントされたクッキーたちに砂糖菓子の飾りをちりばめてデコレーションしていく作業へ。

「なんだかオシャレじゃないですか? 」
理科の要素もありますが、図工の楽しさもありますね。

「今度は白のアイシングに色素を混ぜて、別の色を作りましょう。赤を混ぜてピンクのアイシングにしたり、赤と青を混ぜて紫のアイシングにしたりして、クッキーをカラフルな色に仕上げていきます。そして、奥さまへの愛を込めた『LOVE みゆき』のメッセージも描いていきましょう」

そうだった。ストレートに気持ちを伝えるべく、もうひとつのハート型クッキーの絵柄をそう決めたのだ。

ちょっと恥かしくなってきたが、引くに引けないから仕方ない。
再び絞り袋にアイシングを入れ、文字を書いていく。

「L、O、V、E…」

「…み、ゆ、き」

「あらためて思うのですが…」
どうかしていた。でも、えらいかわいいクッキーができましたよ。

そのほかの絵柄も作り、お皿にクッキーを並べて完了。
カラフルでかわいいアイシングクッキーのできあがりだ。

「初めてにしては、本当に素晴らしいですね! 」と先生にも褒められ有頂天に。
「料理人に戻ったほうがいいんじゃないですか! 」という編集者Hは無視しておいた。

いずれにしても、最初は少し戸惑ったが、いい出来栄えではないか。
嫁さんにサプライズで手渡せば、きっと喜んでくれるであろう。

「待ってろよ。嫁さん!(with LOVE)」

★あとがき
ということで、お菓子作り教室の取材は終了。
お菓子作りは初体験だったが、いざやってみると楽しいもの。「女性より男性のほうが向いている」という先生の言葉を強く実感できた。
さてホワイトデーまではまだあるが、今回は手作りした「LOVE みゆき」クッキーを渡した。すると予想どおり嫁さんは大喜び! 「すごい! どうしたの、コレ? 」と大はしゃぎし、クッキーを食べると「美味しい! 」と言って笑顔を見せてくれた。良かった。手作り作戦大成功だ。これで当分は上機嫌が続くから、多少ハメを外して飲んでも許されるだろう。

ちょい上度 ★★★★★
ちょい上というよりかなり上かも
ローンしてでも試したい度 ★★★★★
男性もやってみると楽しいのでぜひ!
こんなお菓子をつくってみたいな度
息子のバースデーケーキ。なぜか「LOVE みゆき」デコレーションで
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